災害が発生して自宅から避難するとき、必要なものを一から集めていると、避難までに時間がかかってしまいます。そのため、平時から「緊急持ち出し袋」を準備しておくことが大切です。
緊急持ち出し袋には、飲料水や食料だけでなく、常備薬、懐中電灯、携帯電話の充電用品、衛生用品など、自分や家族が避難先で必要になるものをまとめておきます。
この記事では、緊急持ち出し袋に入れておきたい基本的なものと、原子力災害に備えてあわせて確認しておきたいことを、わかりやすく紹介します。
1.緊急持ち出し袋とは?
緊急持ち出し袋は、自宅から避難するときに、すぐに持ち出せるよう必要なものをまとめておく袋です。
避難するときに必要になるものは、家族構成や年齢、健康状態などによって異なります。すべてを詰め込むのではなく、自分や家族にとって必要なものを考えて準備しておきましょう。
また、緊急持ち出し袋と、自宅で生活を続けるための備蓄品は分けて考えることが大切です。持ち出し袋には避難時に必要なものを入れ、自宅には飲料水や食料、生活用品などを別に備えておきましょう。
2.まず入れておきたい基本の持ち物
緊急持ち出し袋には、避難するときや避難先で必要になる基本的なものを入れておきます。必要なものは家庭によって異なりますが、まずは次のようなものから確認してみましょう。
- 飲料水
- すぐに食べられる食品
- 常備薬・救急用品
- 防災用ヘルメット・防災ずきん
- 懐中電灯
- 携帯ラジオ
- 予備電池
- 携帯電話の充電器・モバイルバッテリー
- 衣類・下着
- レインウェア
- タオル
- ブランケット・防寒用品
- マスク・衛生用品
- 軍手
- 筆記用具
- 現金や身分証明書など、避難時に必要になるもの

3.原子力災害に備えて追加で確認しておきたいもの
原子力災害に備える場合も、基本となる持ち物は一般的な災害への備えと共通しています。そのうえで、地域の原子力防災情報を確認できるようにし、自分や家族に必要なものを追加しておきましょう。
- 自治体などの防災情報を確認できるスマートフォンや携帯ラジオ
- 家族の連絡先、集合場所、避難先などをまとめたメモ
- 自治体の原子力防災ハンドブックや避難計画など、地域の防災情報を確認できる資料
- マスクや帽子、長袖の上着など、必要に応じて肌の露出を抑えられるもの
- 安定ヨウ素剤を事前配布されている場合は、薬剤と一緒に受け取った説明資料
安定ヨウ素剤を事前に受け取っている場合でも、自己判断では服用しません。国や自治体などから服用の指示が出た場合に、その指示に従って服用します。保管方法についても、配布時の説明や自治体からの案内を確認しておきましょう。
4.家族に合わせて追加したいもの
緊急持ち出し袋に必要なものは、家族全員で同じとは限りません。乳幼児、高齢者、持病のある人、ペットなど、家族それぞれの状況に合わせて必要なものを追加しておきましょう。
乳幼児がいる場合
- ミルクや哺乳瓶
- 離乳食
- 紙おむつ
- おしりふき
- 着替え
- 母子健康手帳など、必要な情報を確認できるもの
高齢者・持病のある人がいる場合
- 常備薬・処方薬
- お薬手帳
- 眼鏡・補聴器
- 補聴器などの予備電池
- 介護用品
- 必要に応じて、治療や介護に関する情報をまとめたもの
そのほか家庭に合わせて確認するもの
- 生理用品
- アレルギーなどに対応した食品
- ペットフード・リードなどのペット用品
- 家族一人ひとりが日常的に使用しているもの
家族で確認しておきたい備えについては、「家族で作る原子力防災チェックリスト」も参考にしてください。
5.持ち出せる状態にしておく
緊急持ち出し袋は、中身をそろえるだけでなく、必要なときにすぐ持ち出せる状態にしておくことが大切です。置き場所や重さ、中身の使用期限などもあわせて確認しておきましょう。
- 玄関付近など、避難するときに持ち出しやすい場所に置く
- 実際に背負って、無理なく持ち運べる重さか確認する
- 食品や飲料水、薬などの期限を確認する
- 懐中電灯や携帯ラジオなどが使えるか確認する
- モバイルバッテリーなどを定期的に充電する
- 季節や家族の状況に合わせて中身を見直す
一度準備したあとも、そのままにせず定期的に中身を確認しましょう。家族構成や健康状態、季節などが変われば、必要なものも変わります。
6.持ち出し袋を準備していても、自己判断で避難しない
緊急持ち出し袋を準備していても、原子力災害が発生したからといって、必ずすぐに避難するわけではありません。状況や地域によっては、まず屋内退避が指示される場合があります。
原子力災害時には、国・都道府県・市町村などから発信される最新の情報を確認し、屋内退避、避難、一時移転などの指示に従って行動しましょう。
屋内退避について詳しく知りたい場合は、「屋内退避とは?指示が出たときに家で行うこと」も参考にしてください。
避難や一時移転について詳しく知りたい場合は、「避難・一時移転の違いって何?指示が出たときの基本行動」も参考にしてください。
まとめ
緊急持ち出し袋は、避難するときに必要なものをすぐに持ち出せるよう、平時から準備しておくものです。
基本的な防災用品に加えて、乳幼児や高齢者、持病のある人など、家族一人ひとりに必要なものも確認しておきましょう。また、原子力災害に備える場合は、自治体の原子力防災情報や避難先などを平時から確認しておくことも大切です。
実際に原子力災害が発生した場合は、持ち出し袋を準備しているからといって自己判断で避難せず、国・都道府県・市町村などから発信される最新の情報や指示に従って行動しましょう。
参考・公的資料
掲載情報の最終確認日:2026年10月6日